第65回日本鼻科学会総会・学術講演会

The 65th Annual Meeting of the Japanese Rhinologic Society

会期
2026年10月8日(木)〜10日(土)
会場
広島国際会議場
会長
竹野幸夫(広島大学大学院 耳鼻咽喉科学・頭頸部外科学)

臨床研究の支援ワークショップ×Editage(PaperPal®)

臨床研究立案から
初めての論文出版まで

日常診療の疑問を、研究計画へ。そして論文へ。
日常診療の中で、ふと感じる疑問や違和感。

  • この治療は本当に有効なのか
  • この検査はどのような患者に役立つのか
  • 施設によって対応が違うのはなぜか

本ワークショップでは、こうした臨床上の疑問を、研究として実施可能なリサーチクエスチョンへ発展させ、研究デザインを組み立て、最終的に論文としてまとめていくまでの流れを、講義・グループワーク・個別相談を通じて実践的に学びます。
対象は、これから臨床研究を始めたい方、大学院等で研究を立ち上げていく方、研究テーマはあるものの進め方に悩んでいる方です。
昨年度の参加者からも高い評価をいただいた企画を、今年度はさらに双方向型の内容として実施いたします。

参加特典

事前に参加申込をされた方を優先して、Editage PaperPal®の1か月無料体験アカウントをご提供いたします。
なお、当日参加の方へのご提供は、無料体験アカウントに残数がある場合に限ります。
無料体験アカウントをご希望の方は、お早めにお申し込みください。

開催概要

日程
2026年10月9日(金)
時間
9:00~12:30
対象
これから臨床研究を始める先生、大学院生、研究テーマの立案・論文作成に悩んでいる先生
形式
講義、研究デザイン体験ワークショップ、個別相談会
テーマ
臨床研究立案から初めての論文出版まで

※ランチョンセミナーにかからない時間帯での実施を予定しています。

このような方におすすめです

臨床研究に興味はあるが、何から始めればよいかわからない。
研究テーマはあるが、リサーチクエスチョンとして整理できていない。
データはありそうだが、研究デザインや解析方法に不安がある。
論文を書きたいが、構成や投稿までの流れがわからない。
研究計画書や倫理審査、症例数設計について相談したい。
本企画では、初学者にもわかりやすく、耳鼻咽喉科領域の臨床目線に沿って、研究の始め方から論文作成までを支援します。

プログラム

9:00~10:20

講演初めての論文投稿のために必要な知識を身につけよう

臨床研究を始め、論文としてまとめるために必要な考え方を、研究テーマの見つけ方、研究デザイン、論文構成、AI活用の観点から解説します。

※講演のみの聴講は、事前申込なしでも当日ご参加いただけます。

座長
楯谷 一郎
京都大学大学院医学研究科医学専攻感覚運動系外科学講座耳鼻咽喉科・頭頸部外科学 教授

本企画は、大学院生としてこれから臨床研究を始めようとする先生方を主な対象に、研究の立案から論文投稿までを体系的に学べる場として企画されています。講演では、研究テーマの見つけ方や研究デザイン、読み手に伝わる論文の書き方、論文作成支援ツールの活用について学びます。さらに、ファシリテーターの支援を受けながら研究デザインを考えるワークショップと個別相談会を通して、参加者の皆さまが実際の研究に一歩踏み出せるよう支援します。本企画が、日々の臨床疑問を研究として形にし、将来の論文化へつなげるきっかけとなれば幸いです。

講演1

エビデンスギャップから始めるリサーチクエスチョンの作り方臨床の違和感を研究計画に変えるために

藤原 崇志 先生
大原記念倉敷中央医療機構臨床医学研究所 医療機器開発部長/倉敷中央病院耳鼻咽喉科(兼任)

臨床研究の出発点は,日常診療の中で生じる素朴な疑問である。しかし,「この治療は有効なのか」「この検査は役に立つのか」「なぜ施設によって対応が異なるのか」といった臨床上の疑問/clinical question(CQ)が,そのまま研究として成立するわけではない。研究として実施するためには,既存のエビデンスを確認し,何がすでに分かっていて,何がまだ分かっていないのかを整理したうえで,解決すべきエビデンスギャップを明確にする必要がある。
本講演ではワークショップの導入として,CQをリサーチクエスチョン(RQ)へ発展させる考え方を概説する。まずCQから診療ガイドラインや代表的な論文を手掛かりにエビデンスギャップを見つけ、見つけたギャップを対象,介入・曝露,比較などの要素に分解し,測定可能で実施可能なRQに構造化する過程を示す。
研究計画の失敗は,統計解析の段階で初めて明らかになるのではなく,多くの場合,問いの立て方の段階ですでに始まっている。逆に,エビデンスギャップに基づいた明確なRQを設定できれば,研究デザイン,対象者の選択,アウトカム設定,必要症例数,解析方針は自然に定まりやすくなる。本講演では,臨床の違和感を「調べてみたいこと」にとどめず,「他者に共有可能で,臨床を少し前に進める問い」に変換するための実践的な視点を提供したい。

講師紹介

2009年愛媛大学医学部医学部卒業後、倉敷中央病院、愛媛大学医学部耳鼻咽喉科にて耳鼻咽喉科診療および臨床研究支援業務に従事。2020年より経済産業省医療・福祉機器産業室で医療機器産業振興に関わる行政事務に従事。2022年より大原記念倉敷中央医療機構臨床医学研究所医療機器開発部でプログラム医療機器の支援および開発を行っている。

講演2

書く前から始まっている:STROBE声明で設計する観察研究

徳永 貴広 先生
真生会富山病院 耳鼻咽喉科・医療技術部部長

観察研究を計画する際、STROBE声明は「論文を書くときに参照するチェックリスト」として捉えられることが多い。しかし、STROBE声明の各項目が問いかけているのは報告方法ではなく、研究設計そのものの質である。「対象者の選択基準は適切か」「曝露とアウトカムの定義は測定可能か」「交絡因子は何か」——これらはいずれも、データ収集を始める前に答えが出ていなければならない問いである。
本講演では、STROBE声明を研究デザインのフレームワークとして活用する視点を提示する。具体的には、設定したリサーチクエスチョンをもとに、STROBE声明の主要項目(対象・曝露・アウトカム・交絡・バイアス・サンプルサイズ)を研究計画書に落とし込む作業を概説する。「書き方」が決まれば「測り方」が決まり、「測り方」が決まれば「集め方」が決まる。この逆算の思考法を身につけることで、「データは集まったが解析できない」という臨床研究の典型的な失敗を未然に防ぐことができる。

講師紹介

2005年 富山医科薬科大学 卒業
2007年 福井大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 入局
2008年 国家公務員共済組合連合会 舞鶴共済病院 耳鼻咽喉科
2011年 筑波大学 遺伝医学教室 国内留学
2015年 福井大学医学部附属病院 医学研究支援センター特命助教として、研究支援や統計支援を行う。
2018年 真生会富山病院 耳鼻咽喉科
現在は福井大学を中心に研究者を対象に統計相談・統計支援に携わっている。

講演3

読み手に伝わる論文の構成と書き方Hourglass Structureを意識して

浦口 健介 先生
岡山大学病院 耳鼻咽喉・頭頸部外科 助教

論文は一般に、Introduction、Methods、Results、Discussion から構成され、それぞれに求められる役割があります。一方で、初学者の論文では、各セクションに記載すべき内容が整理されておらず、自分の考えや本来その項目に含めるべきでない内容が混在してしまうことも少なくありません。本講義では、各セクションの基本的な役割と記載すべき内容を整理したうえで、STROBE声明やHourglass Structure を意識しながら、読み手に伝わる論文の構成と書き方について解説します。

講師紹介

2011年富山医科薬科大学卒業。日々の臨床経験を形にしたいと考え、症例報告を多数執筆してきた。その後、臨床研究を体系的に学ぶため、2020年より岡山大学 疫学・衛生学分野に所属。現在は耳鼻咽喉科領域を中心に公衆衛生に関連したデータベース研究を行うとともに、教室内外の臨床研究支援に携わっている。

講演4

論文は「英語」ではなく「時間・構造・伴走」で決まるメンターとAIの最適な役割分担と研究クレドの提案

坂下 雅文 先生
福井大学医学研究支援センター/耳鼻咽喉科・頭頸部外科(併任)講師

臨床医にとって英語論文作成は重要な責務であるが、日常診療や教育業務の中で十分な時間を確保することは困難であり、論文作成が停滞する要因となっている。一般には英語力が障壁と認識されがちであるが、実際には時間の不足、論文構成の理解不足、指導・伴走体制が重要と考えられる。本研究では、論文執筆アシストAIツール(Editage Plus/Paperpal)を臨床研究者に試験導入し、アンケート調査により論文執筆への影響を評価した。その結果、執筆速度の向上や心理的負担の軽減が認められ、一定の時間短縮効果が示唆された。一方で、論文構成の理解や研究の方向性整理といった本質的部分はAIのみでは補完できず、指導者による伴走の重要性が明らかとなった。これらの結果から、論文作成の本質は英語能力そのものではなく、「時間の確保」「構造の理解」「伴走支援」にあると再定義される。さらに、人とAIの役割分担として、研究設計や構成は人が担い、英文化や表現補助はAIが担うモデルが有効と考えられる。本発表では、これらの知見を踏まえ、研究時間の確保や進捗管理を組織的に支える行動規範としての「研究クレド」の提案まで、持続可能な研究活動の実現に向けた方策について考察する。

講師紹介

2001年 福井医科大学医学部医学科卒業
2010年 福井大学大学院医学系研究科博士課程修了(理化学研究所横浜研究所)
2013年 米国シカゴ、ノースウェスタン大学留学(客員研究員)
2018年 福井大学医学研究支援センター講師、耳鼻咽喉科・頭頸部外科学併任
2023年 同大学データ科学・AI教育研究センター教員併任 現在に至る。

10:30~11:30

研究デザイン体験ワークショップ「二日酔いにロキソプロフェンは効くの?」から始めてみよう

本ワークショップでは、身近なclinical questionである「二日酔いにロキソプロフェンは効くのか?」を題材に、グループで研究計画を組み立てる体験学習を行います。
4~5名のグループに分かれ、ファシリテーターとともにワークシートを用いて、以下の流れで研究計画を整理します。

  1. 漠然とした疑問から研究仮説を立てる
  2. PICO形式で構造化する
  3. 期待される結果をグラフとして考える
  4. 研究デザインを選択する
  5. 対象者、介入・曝露、評価項目、サンプルサイズを具体化する
  6. 各グループで発表し、講師からフィードバックを受ける

ゴールは、「この研究、このままでは投稿できない理由」を自分で見つけられるようになることです。
「なんとなく研究してみたい」という段階から、「論文を目指せる研究計画」へ橋渡しすることを目指します。

11:40~12:30

個別相談会

講師・インストラクターが、参加者の研究テーマや相談内容に応じて個別にアドバイスを行います。
研究テーマがまだ明確でない方、研究計画書の作成に悩んでいる方、データの使い方や解析方針に不安がある方もご相談いただけます。
事前に簡単な研究内容を確認するワークシートをご記入いただき、現在の状況や相談したい内容を整理したうえで、個別相談を行う予定です。なお、個別相談を受けられる人数には限りがあります。相談希望者が多い場合には、別途オンライン相談等を検討する場合があります。

インストラクター紹介

徳永 貴広 先生真生会富山病院

福井大学在籍時に院内の医学研究支援センターで研究計画支援や統計相談の業務を行っていた。JESRECスコアの診断基準・重症度分類作成に関与したことを契機に統計の分野に携わるようになり、統計検定2級を取得した。現在は福井大学の研究者を中心に研究デザイン、サンプルサイズ設計、統計計画や解析、解析結果の解釈などの統計相談を受けている。

藤原 崇志 先生倉敷中央病院

耳鼻咽喉科専門医取得後、臨床研究支援センターで研究デザインの支援などに従事していました。単施設研究から多施設研究、RCTやシステマティックレビュー、Mindsでの診療ガイドライン作成支援などの経験があります。現在は経済産業省への出向をへて研究の医療機器として社会に届ける支援も行っています。

坂下 雅文 先生福井大学医学研究支援センター

耳鼻咽喉科の臨床研究、基礎研究を経て、福井大学の研究支援部門に所属(併任)。現役の研究者として視点からの支援活動をミッションとしており、研究者の実情に合った支援策を心がけています。研究立案、倫理審査、研究費獲得、出口戦略について支援をしており、疫学研究、基礎研究(分子生物学)、AI(人工知能)、アプリ開発、ビッグデータ、特許出願・取得の経験があります。

浦口 健介 先生岡山大学病院 耳鼻咽喉・頭頸部外科

「臨床研究に興味はあるけれど、どこから始めればよいかわからない」かつて私自身が感じていたことです。そのため、岡山大学 疫学・衛生学分野で2年間、臨床研究の基礎からデータベース研究までを学びました。この経験を通じて、「どうすればもっと効率的に、インパクトのある研究をできるか?」を追求し、様々な論文作成や研究支援に携わってきました。あなたの研究テーマが本当に論文になるのか?どのデータベースを使えば良いか?そんな研究のスタートラインからサポートします。

井之口 豪 先生加古川中央市民病院 臨床研究治験センター

神戸大学在籍時にオスラー病の医師主導治験や鼻科領域の観察研究に従事し、現在は加古川中央市民病院の臨床研究・治験センターに所属しています。日常診療と並行しながら研究倫理審査委員会の委員長として、院内の研究計画書の審査・研究相談・院内研修を担当しています。審査側から見た研究計画書のポイントをお伝えするとともに、具体的になっていないアイデアを形にしたい方のお手伝いをします。

水野 佳世子 先生京都大学 薬剤疫学分野

京都大学の公衆衛生大学院で疫学について学び、日本のレセプトやDPCデータを用いた研究や、多施設の観察研究に従事していました。大学院修了後は、京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻薬剤疫学分野の教員として、様々なバックグラウンドを持つ大学院生の、大規模医療データを用いた研究の立案から論文作成、学位取得までを支援しています。

昨年度参加者の声

昨年度の臨床研究支援ワークショップでは、講演会について「役立った」との回答が90%以上、研究デザイン体験ワークショップについても高い評価をいただきました。
参加者からは、以下のような声が寄せられています。
今年度は、昨年度の好評を踏まえ、より実践的・双方向型の内容として実施します。

  • 耳鼻咽喉科の臨床目線で体系的に研究を学ぶ機会となり、非常に理解しやすかった。
  • 自身で臨床研究をデザインしていくイメージができた。
  • 研究デザインの流れを実際に体験することでイメージがついた。
  • 講演、ワークショップ、相談会がすべてつながっていてよかった。
  • 研究の方向性が明確になり、次のアクションプランが分かった。

参加申込について

講演(9:00~10:20)は、事前申込なしでも当日ご参加いただけます。

研究デザイン体験ワークショップおよび個別相談会への参加を希望される方は、下記の申込フォームより事前にお申し込みください。

また、Editage PaperPal®の1か月無料体験アカウントは、事前申込をされた方を優先してご提供いたします。アカウント数には限りがございますので、ご希望の方はお早めにお申し込みください。

臨床研究をこれから始めたい先生、研究テーマを論文につなげたい先生、研究計画の立て方に悩んでいる先生のご参加をお待ちしております。

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