会長挨拶

会長 原 浩貴

第35回 日本口腔・咽頭科学会総会ならびに学術講演会
会長 原 浩貴
(川崎医科大学 耳鼻咽喉・頭頸部外科学)

このたび第35回 日本口腔・咽頭科学会総会ならびに学術講演会を担当させていただくことになり、教室員および同門会一同、大変光栄に思っております。このような名誉ある機会をいただきました、岩井大理事長、三輪髙喜前理事長をはじめ役員各位ならびに会員の皆様に心より御礼申し上げます。会期は2022年(令和4年)9月8日(木)9日(金)の二日間で、倉敷市民会館(倉敷市)で開催致します。本学会のテーマは、「「天領のまち」で究める新時代の口腔咽頭科学」としました。

倉敷市はかつて江戸幕府の直轄領「天領」であり、物資の集積地として非常に栄えたまちです。倉敷の中心地である「倉敷美観地区」では現在も白壁や格子窓のある屋敷、倉敷川沿いの柳並木など、歴史のロマンを感じることができます。さらに町の建築様式に息づく江戸の風情とともに、ギャラリーや雑貨店、ジャズ喫茶や茶道家元を改築した喫茶店などが点在し、古い歴史文化の中にモダニズムの調和がみられる、魅力ある地です。テーマには、この「天領のまち」に集い、対面で活発な討議が行えるようにとの願いを込めました。本学会が対応する扁桃、味覚、咀嚼・嚥下、唾液腺、口腔乾燥、いびき・睡眠時呼吸障害、咽喉頭異常感、舌、口腔・咽頭・唾液腺に発生する様々な腫瘍や炎症など極めて多岐に渡る領域での、最新の知見を会員の皆様と共有し、「新時代の口腔咽頭科学」を「究める」機会となるよう、プログラムを企画しております。

「倉敷美観地区」の中央に、大原美術館があります。日本で初めて誕生した私立西洋近代美術館で、世界的に有名な名画をはじめ、陶芸・木版画・染色・東洋の古代美術品も展示しており、手軽に倉敷の歴史・文化にも触れることができます。コロナ禍において、健康長寿社会を支えるための美術の大切さを再認識された先生方も多いと思いますが、大原美術館 大原あかね理事長に、美術館のこと、SDGsの観点や危機管理も交えて特別講演をお願いしました。御講演をお聞き頂いた後、学会期間中にぜひ一度美術館のご鑑賞も頂ければと思います。

また 口腔咽頭科学領域の診療には、視診で得た所見や手術の記録など、適切なイラストレーションによるカルテ記録が必要です。しかし近年の電子カルテの普及により、紙カルテ時代と比べてイラストによる所見の記録を行う機会が減っていることも事実です。そこで、元メディカルイラストレーション学会会長 川崎医科大学特任教授のレオン佐久間先生に「メディカルイラストレーションの必要性・重要性」について、「強調と省略」をキーワードに特別講演3をお願いしました。合わせて、ハンズオンセミナーとして、タブレット端末でのメディカルイラストレーションの作画の基本を教えて頂きます。特に若手の先生方には是非この機会に学んで頂ければと思います。なお今回の学会ポスターのデザインもレオン先生に御願いし、左にヒポクラテス、右に新時代の医師の一人として会長である私が対面で討議しているイラストを描いて頂きました。

さらに、「新時代の口腔咽頭科学」に関して、咽頭癌に対するロボット手術、OSAに対する舌下神経刺激療法、新規手術デバイスなどに関する、様々な企画を準備しております。また、特別講演2として、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会会長代理で、川崎医科大学小児科教授の中野貴司先生に、新型コロナウイルスワクチンを中心に耳鼻咽喉科医が熟知しておくべきワクチンの話題について御講演頂きます。

オミクロン株の今後が気になりますが、現在のところ新型コロナウイルス感染症は小康状態にあり、これから、第3回目のワクチン接種が進むことから、2022年9月には現地開催が可能である事を期待しております。演題募集期間は2022年4月5日から予定しております。一人でも多くの会員の先生方に演題登録頂き、倉敷の地へお越し頂きますよう、教室員一同、心よりお待ちしております。