会長挨拶
会長 北原 糺
奈良県立医科大学 耳鼻咽喉・頭頸部外科学講座
このたび、第36回日本耳科学会総会・学術講演会を奈良県立医科大学耳鼻咽喉・頭頸部外科学教室が担当させていただくことになりました。当教室にとりまして本学会の主催は、1945年の開講以来初めてのことであり、大変名誉なことと感じております。関係者の皆様方に厚く御礼申し上げます。
学会テーマは「レジリエンスの耳科学」としました。レジリエンスとは困難や逆境からの回復力/適応力を意味します。内耳やその関連組織は遺伝的素因、環境的素因により日々傷つきますし再生しませんので、機能回復に関する医療は困難をきわめてきました。そこからの回復力/適応力、すなわち以前は諦めざるを得なかった高度感音難聴の治療法として、人工臓器、遺伝子治療、再生医療の現状を中心に議論したいと考えています。また、ヒトが一生においてなるべく内耳が傷つかないように生活していく、セルフケアによる予防医学も重視する必要があります。
奈良と言えば東大寺ですので、学会ポスターは「東大寺大仏殿」を前面に押し出したものにしました。東大寺は8世紀前半の奈良時代に建立され、平安時代と戦国時代に2度焼け落ちつつも、江戸時代に再建復興してから現在に至るまで力強く存続しています。東大寺はまさにレジリエンスのシンボルであり、東大寺住職には「レジリエンスの東大寺」についてご講話いただきます。
会期は2026年10月28日水曜から31日土曜とちょうど正倉院展が開催されている時期に重なり、場所は理事会および代議員総会を東大寺境内で、学術講演会を平城京、奈良公園から程近い奈良県コンベンションセンターで執り行います。是非、耳科学に興味のある先生方、お誘い合わせの上、秋の奈良を大いに感じながら耳科学に深く思いを馳せていただければ幸いです。