会長挨拶
第29回日本臨床内分泌病理学会学術総会
会長 矢澤 卓也
獨協医科大学医学部 病理学講座 主任教授
令和7年度日本臨床内分泌病理学会学術総会を宇都宮でお世話させていただくことになり、方波見理事長をはじめ、理事・会員各位に深く感謝申し上げます。
第29回学術総会のテーマは「内分泌学、基礎と臨床の接点」といたしました。内分泌臓器は全身に存在しており、またその機能も多岐にわたり、疾患に伴う臨床症状も多彩であるため、内分泌疾患へのアプローチには、病理学や遺伝子医学を含めた基礎医学的知見と臨床医学的知見の融合が不可欠です。そこで今回は「内分泌腫瘍遺伝子パネル検査のup-to-date」「遺伝性甲状腺疾患のバックグラウンド」というシンポジウムを企画しました。また下垂体腫瘍については「下垂体腫瘍の臨床診療に病理検索はどこまで必要か」というタイトルで、内科、外科、病理合同でのシンポジウムを設けました。さらに神経内分泌腫瘍が最も高頻度に発生し、その組織発生も非常に複雑な臓器である「肺」に焦点を充てたシンポジウムも企画しました。
また、今回は中島正洋先生の発案で、日本甲状腺病理学会との共催による甲状腺スライドカンファレンスを行うことになりました。バーチャルスライドを用い、投票等を行うようですので、会場では活発な議論が展開されるものと期待しております。
2日目にはレコルダティ・レア・ディジーズ・ジャパン株式会社との共催により、「Cusuing症候群などの病態と治療」と題したセミナーも企画されています。
宇都宮は日光、那須高原への玄関口でありますので、ぜひ学会終了後には足をのばしてください。10月は紅葉シーズンであるため自動車でのアクセスはなかなか困難かとは思いますが、電車を使えば日光を容易に観光できるのではないかと思います。学術総会のホームページには名物の餃子のお店を含め、宇都宮界隈の観光スポットをご案内しています(https://www.gakkai.co.jp/jeps29/)。また学会会場の目の前からはライトライン(LRT)が発着しています。会員の中には「鉄道オタク」の方もいらっしゃると思いますので、この機会にぜひご乗車いただければと思います。
みなさまと宇都宮でお会いできることを楽しみにしております。
2025 年8月吉日
