第80回耳鼻咽喉科臨床学会総会・学術講演会

会長挨拶

第80回耳鼻咽喉科臨床学会総会・学術講演会
会長:肥塚 泉
聖マリアンナ医科大学 耳鼻咽喉科学教室 教授

 この度、第80回耳鼻咽喉科臨床学会総会・学術講演会を担当させていただきます。聖マリアンナ医科大学耳鼻咽喉科学教室員および同門会一同、大変光栄に思っております。このような名誉ある機会を与えてくださった本学会会員の皆様、役員の諸先生方に心から感謝申し上げます。
 会期は平成30年6月29日(金曜日)から30日(土曜日)、会場はパシフィコ横浜会議センターで開催いたします。会員の皆様方に横浜での学会を楽しんでいただけますよう、聖マリアンナ医科大学耳鼻咽喉科学教室員、一丸となって鋭意準備してゆく所存です。
 今回のテーマは「To the bright future」としました。耳鼻咽喉科医のなり手は、ここ数年は往時の3分の2程度に減少しています。世間一般で話題となっているda Vinciなどの手術ロボットやiPS細胞などを用いた再生医学など、最新の医療技術の導入が若干遅れていること、耳鼻咽喉科に対するイメージは“3K(きつい、厳しい、汚い)”であること、などが要因と考えられています。近年、TOSやTEESなどのminimally invasive surgeryの導入や、免疫チェックポイント阻害薬であるニボルマブの頭頸部腫瘍への適応拡大など、私ども耳鼻咽喉科領域においても、様々な分野で格段の進歩がみられるようになりました。今回の学会では、耳鼻咽喉科各領域のトピックスについて最新かつ最善の情報を得ることができるような学会にしたいと考えています。そしてこれをお聞きになった先生方自らが、ご自身ならびに耳鼻咽喉科の「明るい未来」を模索していただく絶好のきっかけになればと考えています。
 特別講演は、作家でもあり医師でもある海堂 尊氏にお願いしました。我々医師の立場も踏まえた、有意義な講演をしていただけるものと期待しています。海外招聘講演は、スウェーデン・ルンド大学耳鼻咽喉科教授のMåns Magnusson先生にお願いしました。バラニー学会のSecretaryでもあるMåns Magnusson先生のご研究は、臨床上遭遇した問題点をテーマにしておられるものが多く、参加された先生方の実地臨床に直接役立つ内容になるものと期待しています。
 シンポジウムを1題、パネルディスカッションを2題用意しました。シンポジウムは「メニエール病の最前線」です。メニエール病の国際診断基準が最近発表されました。バラニー学会が中心となり、日本めまい平衡医学会、ヨーロッパ耳科・神経耳科学会、アメリカ耳鼻咽喉科学会、韓国平衡学会のメンバーが参加して作成したものです。また日本のオリジナル技術である、内リンパ水腫のMRIによる画像診断も世界各国で行われるようになりました。治療法も格段の進歩を遂げています。これらメニエール病に関する最新の知見を各シンポジストの先生方に報告していただき、その後討議していただく予定です。パネルディスカッション1は、男女共同参画企画「女性医師のキャリアプランの立て方・キャリア形成の考え方-女性医師が活躍するためには-」です。様々な役職や立場で活躍しておられる女性医師の先生方に、若い女性医師が今後のキャリア設計をするうえでの羅針盤となるような発表をしていただく予定です。パネルディスカッション2は、「耳鼻咽喉科診療up to date」です。耳科領域、鼻科領域、ロ腔・咽頭領域、睡眠障害領域、頭頸部領域の最新情報を、各パネリストの先生方に発表していただく予定です。これら以外に、本学会では初となるハンズオンセミナーも開催する予定です。
 会場であるパシフィコ横浜会議センターはウォーターフロントに位置し、大型客船が頻回に寄港することで知られている横浜港や、ダイナミックな景観で知られる横浜ベイブリッジを一望することができます。また近くには、文明開化の地である港Yokohamaに、海の向こうから運ばれるさまざまな物資や品物を通じて、近代日本の発展を支えた100年の歴史を感じながら、楽しいイベントやおしゃれなカフェ・レストランが愉しめる横浜赤レンガ倉庫もあります。文明開化の趣と国際都市の躍動感を体験していただければと考えております。
 最後になりましたが、教室員一同、皆様のご参加を心よりお待ちしております。

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