ご挨拶

第38回日本頭蓋顎顔面外科学会学術集会 会長 貴志 和生(慶應義塾大学医学部 形成外科学教室 教授)

第38回日本頭蓋顎顔面外科学会学術集会
会長 貴志 和生
(慶應義塾大学医学部 形成外科学教室 教授)

第38回の日本頭蓋顎顔面外科学会を主催致します、慶應義塾大学形成外科の貴志和生です。この度は、歴史ある本学会を主催させていただき身の引き締まる思いであります。

これまで、1987年に藤野豊美教授が第5回学術集会を、そして2009年に中島龍夫教授が第27回学術集会を主催されており、当同門会員にとって思い入れの深い学会であります。とりわけ本年は東京五輪、そして慶應義塾大学病院の開院100周年という記念すべき年に開催させていただくことを、教室員ならびに同門会員共々誠に光栄に存じます。

今回は、テーマをthe TRUTHと致しました。謎解きのようなポスターに驚かれた方も多いのではないかと思いますが、近年、人工知能をはじめ、光超音波、立位CTなど、新しいテクノロジーでこれまで見えなかったものを見えるように、という技術が進んできています。また、手術の工夫はするけれど、長期成績はどうなのかということが解らないと、手術の工夫のしようがありません。頭蓋顎顔面領域の手術後の長期成績についても取り上げ、本当の意味での手術のフィードバックを行いたいと思います。さらに、頭蓋顎顔面領域の手術では、大変困難な症例、うまくいかなかった症例も経験を積んだ先生方であればあるほど抱えていることと思います。このように、

  • 技術革新で見えなかったものを見る
  • 時間軸で見えなかった本当の姿を見る
  • 学会等で発表され辛い困難な症例の経験を見る

今回は、いろいろな意味での見えなかった真実を見るということをトピックとしてプログラムを組む予定です。これらを基に、それぞれが自分の思っていたことが本当はどうだったのか?真実を探す、そんな会にしてゆきたいと思います。

招待講演として、先天疾患、再建外科、美容外科を網羅すべく、International Society of Craniofacial Surgeryの前PresidentであるフランスのEric Arnaud先生、顔面移植で著名な米国ボストンのElof Eriksson 先生、外鼻形成で著名な韓国のJeong Jaeyong 先生を予定しております。

本学会は、日本形成外科学会の関連学会でもあります日本創傷治癒学会の第50回大会に引き続き、有明のTFTホールで開催いたします。ふるってのご参加を何卒よろしくお願い申し上げます。