第26回日本光線力学学会学術講演会

会長挨拶

第26回日本光線力学学会学術講演会開催にあたって

第26回日本光線力学学会学術講演会
会長 坂本  優
(公益財団法人佐々木研究所附属 杏雲堂病院 副院長/婦人科科長)

 この度、2016(平成28)年6月25日(土曜日)・26日(日曜日)に、第26回日本光線力学学会学術講演会を横浜はまぎんホール ヴィアマーレに於いて第12回日本脳神経外科光線力学学会(会長:産業医科大学西澤茂教授)と同時開催させていただくこととなりました。

 光線力学的診断治療法(Photodynamic Diagnosis, Therapy: PDD, PDT)は、1960年代に米国Mayo Clinic のRichard L. Lipson先生らが、癌に特異的に集積するhematoporphyrin誘導体を開発して以降、新しい癌の診断治療法として急速に発展してきました。更に1970年代に入るとRoswell Park Memorial InstituteのThomas J. Dougherty先生が、基礎実験を経て乳癌皮膚転移巣で臨床応用し、さらに抗腫瘍効果を確認したことにより世界的に研究が推し進められ現在では多くの疾患に応用されています。
 本学会は、PDTが世界的に基礎・臨床研究が推進され始めた1986年に、東京医科大学の早田義博教授によって創設された国際光線力学学会(International Photodynamic Association: IPA)の日本支部会(Japan Chapter of IPA: JCIPA)として発足し、1991年に第1回研究会を早田義博・加藤治文両会長のもと開催いたしました。2001年からは日本光線力学学会(The Japan Photodynamic Association: JPA)になって更なる発展をしてきました。

 第26回日本光線力学学会学術講演会のテーマとして、『光線力学による診断と治療の新たな展開』とさせていただきました。本学術講演会の企画としまして、特別講演は、第14回International Photodynamic Associationの会長を歴任されたThe Catholic University of Korea, Dept. Ob/Gyn, Seoul St. Mary's Hospital のProfessor Ahn, Woong Shick先生にお願いしてございます。また、基礎的な教育講演は、大阪大学大学院 工学研究科環境・エネルギー工学専攻准教授の間久直先生による『薬剤輸送システムを併用したPDTの開発』に関する講演を予定しております。臨床的な教育講演は、京都大学大学院医学研究科腫瘍薬物治療学講座教授の武藤学先生による『局所遺残再発食道がんにおける光線力学療法』に関する講演を予定しております。さらに、シンポジウムは、3種類企画しており、基礎的なものとして、「フォトダイナミックセラノスティクスのためのポルフィリン薬剤の創成」を、主題シンポジウムとして、「PDD/PDTの新たな展開」を、第12回日本脳神経外科光線力学学会との合同シンポジウムとして、「医師主導治験の進め方と問題点」を予定しております。

 本会開催にあたり、光線力学による診断と治療に関する基礎的あるいは臨床的研究をなされている参加者の皆様にとりまして、今後の研究や臨床の発展に有益な意見交換の場となりますよう企画したいと考えております。6月25日(土曜日)の情報交換会では横浜ベイのナイトクルーズも企画しております。参加者の御来場をお待ち申し上げております。
 末筆ではございますが、皆様の益々のご発展とご健勝をお祈り申し上げます。
平成28年3月吉日

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