当番世話人挨拶

第38回日本癌局所療法研究会
当番世話人 天野 定雄
(日本大学医学部 乳腺内分泌外科 教授)

このたび、第38回日本癌局所療法研究会を2016年6月10日(金曜日)に東京新宿の京王プラザホテルでお世話させていただくことになりました。この上ない名誉なことと存じ、厚く御礼申し上げます。

当研究会は動注癌化学療法研究会として創設され、今日まで歴史と伝統のある研究会として発展してまいりました。今回私どものような乳腺内分泌外科領域の診療科が当番をさせていただくことは、会始まって以来のことと思います。これは、平川弘聖会長はじめ、諸先生方のご寛容とご理解、ご支援の賜物と心から感謝しております。

私どもの日本大学乳腺内分泌外科は、日本大学の旧第1外科に起源を持っており、初代の若林 修先生以来、小児外科と一般消化器外科を中心とした診療、研究を行ってきました。2004年に学内において診療科の臓器別再編成がおこなわれて、旧第1外科の一部が中心となり、乳腺内分泌外科の診療科が誕生し、紆余曲折を経て、乳腺内分泌外科の講座として2016年から再出発いたします。このような記念すべき年に本研究会をお世話させていただくことは、大変に感慨深いものがあります。

乳癌では「局所病」VS「全身病」の議論が長く続いておりますが、悪性腫瘍は「全身病ではあるが、必要十分な局所療法と全身療法の組み合わせで治癒を目指す」というのが現在、大方の考え方であろうと思います。今回は、この「必要十分な局所療法で治癒を目指す」というところをさらに突き詰めていただき、癌局所療法の新しいステージを拓きたいと考えております。

今回の研究会を契機に、肝胆膵癌、消化管癌から始まり、全ての癌を対象とした研究会であり続けていただきたいという願いを込めて、また、日々進歩の著しい局所療法の新しい治療成績を含めて、新しい時代(トキ)を開く研究会にしていただければと考え、教室員一同一生懸命お世話させていただきます。どうぞ、外科系の医師、放射線科の医師のみならず、日常がん診療に従事している多くの皆様に奮ってご参加いただければ幸いです。