会長挨拶

第99回 日本病理学会総会 会長 樋野興夫

広々とした病理学
─深くて簡明、重くて軽妙、情熱的で冷静─

第99回 日本病理学会総会 会長 樋野興夫
(順天堂大学医学部病理・腫瘍学 教授)

「診断病理学」と「実験病理学」とそれをブリッジするダイナミックな「広々とした病理学」は、時代の要請であると考えます。患者の視点に立った医療が求められる現代、病理学の在り方を静思し、日本病理学会の存在を高らかに世に示す時であると思います。

  • (1)世界の動向を見極めつつ歴史を通して今を見ていく
  • (2)俯瞰的に病気の理を理解し「理念を持って現実に向かい、現実の中に理念」を問う人材の育成
  • (3)複眼の思考を持ち、視野狭窄にならず、教養を深め、時代を読む「具眼の士」の種蒔き

第99回日本病理学会総会(2010年4月27日〜29日)(京王プラザホテル;東京都新宿区)では、1世紀の最終にふさわしい「温故創新」と100回記念への「懸け橋」となる学術集会を目指したく思います。

新規企画など本集会の特色

病気の根幹を追求しようとする「the study of the diseased tissues」を機軸とします。近年、実験研究を主体とした講演会場と、病理診断の講習を中心とした会場では出席者の人数の乖離現象が指摘されていますが、それを解消するモデルを提示したく思います。病気の本態が遺伝子レベルで具体的に考えられるようになり、本来ならば21世紀は、病理学にとってエキサイティングな時代の到来であるはずです。
「潜在的な需要の発掘」と「問題の設定」を提示し、「病理学に新鮮なインパクト」を与えることが1世紀の集大成である第99回学術集会の使命と考えます。

  • (1)宿題報告、「現状・展望」を語る教育講演、歴史的考察を踏まえたシンポ、ワークショップの企画
  • (2)ポスター討論は一般口演やシンポ、ワークショップと重ならないように配置
  • (3)担当委員会と密に連携した病理診断講習会の企画と配置
  • (4)特別企画
    1)菅野晴夫先生による「病理の100年を振り返って」
    2)柳田邦男氏による特別講演
    3)特別企画セミナー「日中病理 未来への懸け橋」
  • (5)市民公開シンポ「がん医療 ─時代は何を求めているか─」(立花隆氏ほか)の企画

順天堂大学医学部病理・腫瘍学および順天堂医院の人体病理病態学をコアにして、千葉県、埼玉県、静岡県にまたがる3199の病床の順天堂大学附属6病院の診断・臨床病理が一体となり「広々とした病理学」の実際を示せる環境は十分に整っています。

「広々とした病理学」とは、「病理学」には限りがないことをよく知っていて、新しいことにも自分の知らないことにも謙虚で、常に前に向かって努力しているイメージであります。

最近、頂いた「深くて簡明、重くて軽妙、情熱的で冷静」をモットーに、「胆力と品性」をキーワードに、時代の要請感のある第99回日本病理学会総会を高らかに、主催したく思います。皆様の多数のご参加を心よりお待ちしております。

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