日本医療マネジメント学会第6回埼玉支部学術集会

会長挨拶

日本医療マネジメント学会 第6回埼玉支部 学術集会 会長 小山 勇(埼玉医科大学国際医療センター 病院長)

 日本において国民皆保険制度が開始されて55年が経過していますが、医療費はますます高騰し、国の一般会計税収の7割にあたる40兆円を超えるほどになりました。さらに日本は世界でも類を見ない高齢化社会に突入しています。そのような中でマスコミでは医療事故のニュースが絶えず、今ほど、医療安全や医療の質の向上が国民や社会から強く求められていることはありません。私たち、医療を担うプロの医療人として、このような環境の中で何が自分たちにできるかを単に模索する時期は過ぎ、現実に戦略を立てて実行する時期にきています。医療マネジメント学会は医療の質の向上を求めて、クリティカルパス研究会から発展し、医療連携、医療安全など医療の現場における各種の課題に取り組んで大きな成果をあげてきました。
 このような医療環境の中で、このたび日本医療マネジメント学会第6回埼玉支部学術集会の会長を仰せつかり、平成29年(2017年)3月19日(日曜日)にさいたま市の埼玉県県民健康センターにおいて学術集会を開催させていただくこととなりました。
 日本医療マネジメント学会埼玉支部会は、平成23年5月22日に設立され、他の地域に比べて歴史は浅いですが、この学術集会は埼玉県内の医療人が互いに手を取り合って、埼玉県民の健康を守り、“医療の質向上”をめざす数少ない議論の場でもあります。学会会員も医師、看護師、事務職等多岐にわたり、大変多くの方が参加されています。過去5回では主たるテーマとして地域医療や地域連携、医療安全などが議論されてきました。このたびの第6回では、医療マネジメント学会の大きな目的でもある「医療の質の向上を目指す取り組み」をメインテーマとし、地域医療や医療安全はもちろん、より良い病院をめざす各現場での取り組みについて広く議論する場にしたいと考えています。
 最近の医療施設第3者評価は、顧客である患者さんの立場に立った評価が主体であり、評価項目において、プロセスだけでなく最終成果である提供するサービスの質を意識した組織運営を重要視しています。医師、看護師、薬剤師、技師などの医療プロフェッショナル部門のみならず、医療事務や診療情報管理士、あるいは在宅医療に関わるスタッフなどを含めたすべての医療人から、自分たちが提供するサービスの質を意識した取り組みをご紹介いただいて、情報を共有できればと思っています。関係する多くの職種の皆様のご参加と、活発な議論を期待しています。
 つきましては、ぜひとも大勢のご参加と演題のご応募を心よりお願い申し上げます。

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